「剱岳 点の記」ギャラリー (絵と写真)
陸地測量部

月刊「測量」2007年12月号 表紙

 小説『劒岳 点の記』の冒頭、陸地測量部の玄関前で、柴崎芳太郎と小島鳥水が出会うシーンがあります。
 映画では、建物内の廊下で二人がすれ違うシーンとなっています。
 この建物は、明治14(1881)年6月に参謀本部として新築され、 昭和20(1945)年5月に戦災で消失するまでの85年間、現在の国会議事堂前庭の水準原点のところにあって、 陸地測量部の発足当初はこの参謀本部本館三階を間借りしての出発でした。

(画 木部一樹)

剱岳と剱岳山頂

月刊「測量」2007年6月号表紙

 立山修剣(修行を行う)の対象とされてきた「剱岳」。わが国有数の嶮しい山です。今から約100年前の1907年(明治40年)7月、当時の参謀本部陸地測量部の測量官であった柴崎芳太郎が、 三等三角点設置のため山頂を目指しました。その時に算出された「剱岳」の標高は2,998mでした。(現在は2,999m)
 表紙の絵の手前は頂上の様子。標石が石で埋もれているのは、岩盤で通常の埋設ができなかったためです。

(画 木部一樹)

柴崎芳太郎と館潔彦

月刊「測量」2005年6月号 表紙

 柴崎芳太郎(右)と館潔彦(左)は、ともに陸地測量部の測量官であり、館は明治中期に、柴崎は明治後期から大正にかけて陸地測量部三角科に籍をおき、全国の測量を行ないました。
 館は、穂高岳(前穂高岳)初登頂者であることからも有名です。

(画 木部一樹)



剱岳 北東面

 北東から見た剱岳を、地図から立体的かつ精密に再現した「地貌図」です。
 白い雪渓がところどころにあります。上から長次郎雪渓、三ノ窓雪渓、小窓雪渓、池の平雪渓などです。
 頂上から右は早月尾根、左に源治郎尾根で、剱岳の右上に奥大日岳が見えています。

(画 五百沢 智也 いおざわ ともや)






ムシカリ  スイカズラ科

 高山植物、別名オオカメノキ。森林の中に生える落葉小高木。
 その葉が虫に好まれて食べられるので、「虫狩り」という名前が付けられました。
 白い大きな花弁は、いわゆる「あだ花」・・・中にある小さな星型の小さな花が本当の花です。秋にはその部分が赤い実になります。

 小説『劒岳 点の記』では、剱岳付近の現地調査の際、柴崎芳太郎がこの赤い実を見て、新婚の妻「葉津よ」を思い出します。

 映画では、柴崎(浅野忠信)が長治郎の妻からこの赤い実が付いた枝をもらって帰り、それを葉津よ(宮崎あおい)が家で生けるというシーンがあります。

(写真・画 木部一樹)




 ムシカリに留まるコガラ



*掲載された絵・写真については、複製・転載することはできません。(社)日本測量協会

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